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目から鱗的ピアノトリオ MASAHIRO URASHIMA (浦島正裕) TRIO / THE PALM OF A BEAR

販売価格 2,400円(内税)
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LILY JAZZ LJ0001
日本ジャズ界の最先端で活躍する二人の天才ジャズメンをリズムセクションに迎え、繰り広げられる「The Shape of Phrasing」
このアルバムはMcCoy Tynerへのオマージュである。
初めてMcCoy Tynerを目にした衝撃は忘れられない。
まるで『熊の手』。
この手でピアノを弾くなんて!
McCoy Tynerは1960年頃からJohn Coltraneのバンドで活躍する。
John Coltraneのジャズ史におけるその存在の影響力は計り知れない。
John ColtraneとMiles Davisは、それまで柱であった古典的機能和声の枠組みの中で演奏されるジャズとは別の枠組み、つまり旋法和声というもう一つの枠組みの構築に寄与した。
旋法和声は一般的にいうModeで、Mode奏法・Mood Jazzとよばれるものであるが、スタイルやジャンルといったものより深いものである。
旋法和声はジャズに限らず楽曲を編曲・演奏するためのコンセプトとなる。
単に演奏スタイル・演奏方法というものではなく、もっと根本的な概念である。
旋法和声はクラシック音楽における印象派の音楽、つまりDebussyやRavelを中心とする印象主義音楽を構成する大きな概念の一つとして知られている。
グレゴリア聖歌や中世・ルネッサンス以来の伝統的な旋法を踏まえた歴史的実在、また西洋的精神の理論的展開である和声の潜在的性質を絶えず導き続けた実践的実在である。
Miles DavisやJohn Coltraneは、旋法和声の枠組みをJazzに取り入れた。今では機能和声と旋法和声が上手く調和された状態で演奏が行われる。
もちろん奏者個々によってコンセプトが異なるので一概には言えないが、ジャズ界全体としては調和がとれたものとなっている。
古典的機能和声と旋法和声をしっかりと区別することは重要である。
例えば、Available Note Scaleに出てくるAvoid Note。
意味もなく「Avoid Noteは避けるべき。」とするものもあれば、逆に「Avoid Noteはもはや無くなった。」という文字を目にしたりする。
機能和声と旋法和声の概念が曖昧だと、Avoid Noteの取扱いに混乱が生じる。Avoid Noteになりうる根拠は、一律に決まっているものではないので全てのAvoid Noteに当てはまるわけではないが、機能和声の枠組みだとAvoid Noteになりうる音が旋法和声の枠組みだとAvoid Noteにならない場合がある。
ジャズ理論を勉強した経験のある方だと思い当たる節があると思うが、Available Note Scaleの章ではAvoid Noteとして避けられていた音が、Modeの章ではAvoid NoteがCharacteristic Note(特性音)として、その旋法を特徴付ける音になる。
同じ音が、章が異なれば全く逆の意味を成す。
混乱が生じるのも無理はない。これは、前者は古典的機能和声の枠組みの話で、後者は旋法和声の話であり、楽曲を司る和声概念の違いによって生じるものである。
ともかくJohn Coltraneは旋法和声をJazzに取り入れることに成功した。
ピアニストの立場からその一端を担ったのがMcCoy Tynerである。John Coltraneが機能和声の応用的展開から一転、旋法和声からの展開を図ろうとした時、McCoy Tyner以外にピアニストは考えられなかっただろう。
旋法和声的展開におけるMiles DavisにBill Evans、John ColtraneにはMcCoy Tynerという構図は、非常に興味深い。
因みに古典的機能和声の枠組みにおける代表的なジャズ・ミュージシャンといえば、Charlie Parker、Bud Powel、Oscar Petersonであろう。
ピアニストの立場からすると、古典的機能和声の枠組みにおいて完璧な語り口をもつオOscar Petersonの存在意義は大きい。
(もちろんOscar Petersonは旋法和声の枠組みにおける奏法にも長けている。)
Oscar Petersonの古典的機能和声の枠組みにおける話し方(奏法)は、すべてのジャズピアニストの模範・基礎となりうるもので、その偉大さは計り知れない。
その存在には感謝しかない。古典的機能和声の枠組みからジャズを体現するOscar Peterson、旋法和声の枠組みからジャズを体現するBill EvansやMcCoy Tyner・・・。
ジャズピアニスト界は、尊い両翼を装備している。
McCoy Tynerはフレイジングにおいて、その後のピアニストに多大な影響を及ぼすことになる独特の「The Shape of Phrasing」作り出した。
それは、一見すると非常に無機質な「Shape」であるかも知れない。
紛れもなく旋法和声の枠組みから生まれた「Shape」である。
私は10代の時に初めてこの「The Shape of a Phrase」を耳にしたのだが、それはKenny Kirklandの演奏によるものだった。McCoy Tynerの影響によるものだ。
この「Shape」は、Harmonic NotesとNon Harmonic Notesを縦横無尽に動き回る。その時、「形を耳」にした時の高揚は今も体中に息づいている。

浦島正裕(p) 
楠井五月(b)
山田玲(ds)

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お取り寄せ

浦島正裕
18歳の時、日本におけるバップピアニストの草分的存在である田村翼氏の勧めで本格的にJAZZを始める。
その田村翼氏に師事し、後に内田浩誠氏・寺下誠氏に師事。
1997年 吉祥寺 jazz contestで、審査員であった佐藤允彦氏から称賛され、ベストプレヤー賞を獲得。
また同コンテストで、 浦島正裕TRIOとして優秀賞を獲得。
その後、プロとして活動を始める。現在は演奏活動の傍ら、東京立川のLILY JAZZ PIANO LESSONにて幼児から大人まで幅広い年齢層の指導に力を入れている。

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